同期 vs コピー vs 移動 — どのクラウド転送操作を使うべきか?
クラウド間でファイルを転送したい場合、RcloneViewには同期、コピー、移動の3つの操作があります。似ているように見えますが、間違った操作を選ぶと意図せずファイルを失うことがあります。それぞれの仕組みと使いどころを解説します。
これはクラウドファイル管理における最も重要な判断の一つです。各操作は、送信先には存在するが送信元には存在しないファイルをどう扱うかについて異なる挙動を持ちます。これを理解することで、意図しないデータ損失を防げます。

すべてのクラウドを一か所で管理・同期
RcloneViewはrcloneのクロスプラットフォームGUIです。フォルダを比較し、ファイルを転送・同期し、クリーンなビジュアルインターフェースでマルチクラウドのワークフローを自動化できます。
- ワンクリック操作: コピー · 同期 · 比較
- 信頼性の高い自動化のためのスケジューラーと履歴
- Google Drive、OneDrive、Dropbox、S3、WebDAV、SFTPなどに対応
コア機能は無料。Plusで自動化機能を利用可能。
3つの操作
コピー
動作内容: 送信元から送信先へファイルをコピーします。送信先に同一のファイルがすでに存在する場合はスキップされます。存在はするが内容が異なる場合は上書きされます。
動作しないこと: 送信先から何かを削除することはありません。絶対に。
Source: A, B, C
Destination: B, D
After Copy: B, D, A, C (D is untouched, A and C are added)
同期
動作内容: 送信先を送信元と同一の状態にします。新規・変更されたファイルをコピーします。送信元に存在しないファイルは送信先から削除されます。
Source: A, B, C
Destination: B, D
After Sync: A, B, C (D is deleted! A and C are added)
移動
動作内容: コピーと同様ですが、ファイルの転送が成功した後、送信元からファイルを削除します。
Source: A, B, C
Destination: B, D
After Move:
Source: (empty)
Destination: B, D, A, C
クイックリファレンス
| 動作 | コピー | 同期 | 移動 |
|---|---|---|---|
| 送信先に新規ファイルを追加 | ✅ | ✅ | ✅ |
| 変更されたファイルを更新 | ✅ | ✅ | ✅ |
| 送信先から削除 | ❌ | ✅ | ❌ |
| 送信元から削除 | ❌ | ❌ | ✅ |
| バックアップに安全 | ✅ | ⚠️ | ❌ |
| 完全なミラーを作成 | ❌ | ✅ | ❌ |
どの操作をいつ使うか
コピーを使う場面:
- バックアップ — 安全策が欲しい場合。コピーは送信先から削除を行わないため、送信元からファイルを削除しても、バックアップにはそのファイルが残ります。
- 初回の移行 — 新しいクラウドへ初めてデータを移す場合。
- ファイルの追加 — 既存のファイルに影響を与えずに新しいコンテンツを追加したい場合。
- 判断に迷う場合 — コピーは最も安全なデフォルトです。送信先のデータを失うことがありません。
例:
- 毎日のバックアップ: Google Drive → Backblaze B2。
- 初回移行: OneDrive → Google Drive。
- クライアント納品: 完成したファイルをクライアントのDropboxへコピー。
同期を使う場面:
- ミラーリング — 送信先を常に送信元の完全なコピーにしたい場合。
- 稼働中の作業フォルダ — 削除も含め、送信先に全ての変更を反映させたい場合。
- ストレージの整理 — 送信元から削除されたファイルは、ミラーからも削除されるべき場合。
例:
- S3上にNASのミラーを維持する(完全なレプリカ)。
- 2人のチームメンバー間でプロジェクトフォルダをミラーリングする。
- ステージングサーバーを本番のアセットフォルダと同期状態に保つ。
警告: 同期はファイルを削除します。実行前には必ずドライランで何が削除されるかプレビューしてください。
移動を使う場面:
- アーカイブ — 古いファイルを安価なストレージへ移動し、コストの高い送信元から削除する場合。
- 処理パイプライン — ファイルが受信フォルダに届き、処理された後、アーカイブへ移動される場合。
- 容量の解放 — 容量が一杯のドライブからクラウドストレージへファイルを移動し、ローカルのコピーを削除する場合。
例:
- Google Driveから90日以上経過したファイルをS3 Glacierへ移動。
- ステージングバケットの処理済みアップロードをアーカイブバケットへ移動。
- 容量が一杯の携帯電話バックアップから写真をクラウドアーカイブへ移動。
ドライランという安全策
任意の操作(特に同期)を実行する前に、ドライランを使って何が起こるかを正確にプレビューしましょう。
- どのファイルがコピーされるか。
- どのファイルが削除されるか(同期のみ)。
- どのファイルが移動されるか(移動のみ)。
このプレビューはコストがかからず、予期しない事態を防いでくれます。
まず先にフォルダ比較を
転送を行う前に、フォルダ比較機能を使って現在の状態を把握しましょう。
これにより次のことがわかります:
- 両方の場所に存在するファイル(内容が一致しているかどうかも)。
- 送信元にのみ存在するファイル。
- 送信先にのみ存在するファイル。